石川 由美(小) ・ 小野 晋也(中・高)
愛媛県四国中央市のNPO法人が中心になって、毎年、地域の学校に本を贈呈する活動(「にこにこ輝き文庫」運動)を行っている。そして、その贈呈本の選択が、今年は私に委嘱された。本は、心と対話する相手である。また、人生の礎となるものである。地道ではあるが、とても大切な活動と考えて、協力させていただいた。
中・高校生向きに、小野先生が選本されたそれぞれに付けられたメッセージ(イラ短)をご紹介します…
松下幸之助 著 『道をひらく』
この本は、松下氏が折々に感じ考えてきた短文を取りまとめて、一冊の本にしたもである。
これまでの販売部数は、既に500万部を超え、日本の
出版史上、第二位のベストセラーということである。「自分には自分に与えられた道がある。天与の尊い道がある。」という言葉で始まる。生きる力を与えてくれる本である。
安岡正篤著『照心語録』
東洋思想の大家、安岡正篤氏の語録。氏が各地で講演した内容を、弟子がかきとめて、後で語録の形にとりまとめたものである。合蓄深い言葉が多く収録されている。
若い人たちが、自分の思索の幅を広げる上に、大いに役立つ本ではないかと考える。
私自身も、座右の書としている本である。
新渡戸稲造著『武士道』
この本は、かつて、お札の肖像画にも登場していた新渡戸稲造氏の著書。明治中期、まだ日本の国が国際的によく知られていなかった頃、日本人の精神の根底にあるのは「武士道」だ、と世界に知らしめた本である。
日本人とは何か、そして、日本とは何か、と言う問題意識を持っている人に、一読をお勧めしたい本である。
内村鑑三著『代表的日本人』
1894年(明治27年)に英文で刊行された本で、外国の人々に、代表的な日本人を紹介しようとした本である。
西郷隆盛・上杉鷹山・二宮尊徳・中江藤樹・日蓮の5名を取り上げ、その人生や言葉を紹介している。
日本人の心に長い間宿ってきた立派な人たちの人生と思想を学ぼうとする人に、お勧めしたい本である。
イザヤ・ベンダサン著『日本人とユダヤ人』
この本は、昭和46年に発行され、ベストセラーになった。日本にすんでいればほとんど意識することのない「水と安全」。それを持たないユダヤの民を鑑にすると、日本人の姿がよく見えてくる。その違いを浮き彫りにすることによって、日本人とは何かと問いかけた本である。
私自身も、高校生時代に、興味深く読んだ本である。
鍵山秀三郎著『凡時徹底』
日本に「掃除道」と言う言葉を生み出した人、それがこの本の著者・鍵山秀三郎である。掃除を通して、人間の生き方を見直そうと提案している。
その基本理念は、本のタイトルである『凡時徹底』。変わったことでなく、誰にでもできる平凡なことを、誰も真似ができないまで続ける生き方を、と言う主張である。
本田宗一郎著『夢を力に』
技術を売り物に、世界のオートバイ市場、そして自動車市場に挑戦した本田宗一郎の人生とは、「夢を喰っていきてきた人生」であった。他の人がとても不可能だと考える無謀な目標に、積極果敢に挑戦していった。
そんな本田氏の考え方や生き様をわかりやすく紹介したのが、この本。夢を求める人に、お薦めしたい。